綺麗な夕日が見えたら明日は晴れ
中学生になって1年が経とうとしていた。
もともと人見知りだし内気ですぐ傷つくタイプで、明るい人がワーッとやってくると恐怖を覚えていた。
入学式の朝、綺麗な晴れ。母とキツイ坂道を登り、学校に行ったのを思い出す。
「毎日ここまで来るんだね」「荷物もあるし疲れちゃうよね」なんて会話をしてた覚えもある
小学校で1番仲の良かった子と同じクラスになれて緊張の糸がすこし緩んだようにも感じた。
担任の先生も見たことのない、名前も聞いたことの無い人で(当たり前)、初めは怖そうな印象を持っていた。
他の小学校の子達がほぼ8割で、その中でもやんちゃで落ち着きのない男子も私のクラスにいた。
「こいつとだけはなりたくなかったなあ、、」なんて言ってた子もいた。それくらい嫌われ者だったのだろうか。
帰り道、重たい重たい荷物を抱えて家に着いた時は安心で少し眠ってしまった。
二学期が始まると一学期からの友達と遊ぶようになるが、少しハブられたり嫌ってるような仕草を受けた。
不登校になった。
家でゆっくりゆっくりしていた。
好きな曲を聴いたり、ピアノを弾いたり、好きなことを好きなだけやっていた。
でも気づいた。
こんな事ばかりやっていたら、これからまたこんな風になってしまうのか、と
母の泣きじゃくる顔
「なんでアイツらのせいで」と泣き叫ぶ声
「急にびっくりしたよ」と話す先生
全てが嫌になってまた学校に通うことになった。新しい友達も出来た。
成功したと思っていた。
新しい友達は何かの拍子にキッパリ縁を切られ、今でも話していない。
本格的に友達が減ってしまった11月の終わり頃、「もうすぐ二学期も終わりかあ」なんて考えながら矢のように過ぎ行く時を過ごしていた。
三学期。
入学式の次の日に「よろしくねー!!」と話しかけてくれた明るい他校の子と、いつの間にか友達になっていた。
青い春の話を咲かせ、毎日が楽しく過ぎていっている。
こんな波瀾万丈と言ってもいいほどの濃い1年も、もう終わろうとしている
来年はもっと濃くなるのかな?いやこれ以上に濃いのは嫌だな
毎日毎日、重たい荷物を抱えて帰ってくるのは入学式からずっと繰り返している。
これからも続けるであろう。
毎日「今日も綺麗だなあ」って呟いてしまいそうなほどの綺麗な夕日。毎日目に焼き付けて家に帰る。
綺麗な夕日が見れたなら、明日はきっと晴れになる。
明日は晴れかな。
おわり